乾燥地研究を探る鳥取ツアー
世界平和を実現するためには乾燥地域の問題解決が必要です
「乾燥地研究を探る鳥取ツアー」
中高大および産業連携研修会の報告②
ホテルを出発後、北栄町の風力発電の風車群を視察しました。
大きさが上手く伝えられなくて残念です・・・。9基の風車で約6600戸の年間使用量に相当する電力を発電します。
次にツアー最後の訪問先になる鳥取再資源化研究所へ向かいました。
鳥取再資源化研究所は、使用済みガラス製品を無害発泡させ多孔質のガラス「ポーラスα」を製造しています。また、乾燥地での耕作地拡大を目指し、ポーラスαの実用化実験を中野先生やJICAとともに行っている会社でもあります。
最初に、専務取締役の山下道洋さんに工場の施設を説明していただきました。
多くのガラス瓶は5回程度リユースした後、そのまま埋め立て処分されています。また、特殊な形や色のガラス瓶は使い捨てにされているものが多いそうです。鳥取再資源化研究所では周辺自治体から集めた使用済みガラス(埋め立てられるはずだったもの)を原料とし、ポーラスαに加工しています。
次に、代表取締役の竹内義章さんに、お話をしていただきました。
竹内さんは、モーリタニア、ケニア、セネガル等のアフリカ諸国において、乾燥地の耕作地拡大を目指す研究をされています。ポーラスαは多孔質であるため、水分や養分を蓄えるはたらきがあり、乾燥地緑化に有効です。
竹内さんが、アフリカで研究をするきっかけとなったのは、鳥取大学に来ていた一人のモーリタニア(アフリカの最貧国の一つ)からの留学生との出会いだったそうです。この留学生は竹内さんに「自分の国を何とかしてほしい」と切実に訴えたそうです。「熱意が人を変える」という言葉が心に残りました。
また、「『世のため、人のため』という思いが優先したらチャレンジする、迷った時はこれを判断基準にすること」「日本人は尊敬されます。これは先代の日本人が築いてきたものです。日本人として世界にはばたいてほしい」と語っていただきました。
最後になりましたが、このツアーに関わっていただいたすべての方々に感謝申し上げます。
各訪問先で生徒達は積極的に質問し充実した交流ができました。また、人々が安心して生活をするため、すなわち平和を構築するために行われている自然科学的な研究内容や研究者の方々の思いを、もっと多くの人が知る必要があると感じました。今回のツアーで学んだ内容は後日、参加生徒がプレゼンテーションし、他の生徒達に伝えます。事後活動も楽しみです!
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