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2014年11月23日 (日)

乾燥地研究を探る鳥取ツアー

世界平和を実現するためには乾燥地域の問題解決が必要です

「乾燥地研究を探る鳥取ツアー」

中高大および産業連携研修会の報告①

 地球上の陸地の4割は乾燥地で、乾燥地にある国々の多くは貧困や食料問題を抱えています。乾燥地の実際を学ぶと同時に、乾燥地の諸問題を解決し平和を実現するためにどのような研究がされているか、乾燥地研究に力を入れている鳥取大学および鳥取県の企業に生徒を派遣しました。参加生徒は自然科学や環境問題に興味がある6名(中3:2名、高1:2名、高2:2名)です

最初に向かったのは鳥取砂丘です。長時間の移動にもかかわらず、生徒達は元気です(写真中央)。砂の量に圧倒されました。

                       

鳥取砂丘を視察した後、鳥取大学乾燥地研究センターに向かいました。乾燥地研究センターは、乾燥地について組織的に研究を行っている日本唯一の研究機関です。

学術標本展示室では大学院生の柴田雅史さんに出会うことができました。柴田さんに乾燥地の分類、乾燥地の植物の特徴、ご専門である乾燥地での水の供給について説明していただきました。

柴田さんはNGOの土木エンジニアとして、アフガニスタンやシエラレオネでご活躍される中で、難民キャンプにおける水の確保の難しさに直面されたそうです。その問題を解決するために大学院に社会人入学され研究を始められました。柴田さんの生き方や思いに生徒は感銘を受けたようでした。

 

鳥取大学地域学部に移動後、自然エネルギーの利用に関する研究がご専門の田川公太朗先生に講義をしていただきました。

世界の人口増加、穀物自給率や飢餓状況、乾燥地の分布や砂漠化、塩類集積の問題等、乾燥地に関する基本的事項を講義していただいた後、太陽光発電を利用した乾燥地における作物栽培システムの研究を紹介していただきました。

単に新しい装置や仕組み等を考えるだけでは、現地の人に使ってもらえません。コストやメンテナンス性、人々の教育を充実させる等、「現地の人々に受け入れてもらう」ための配慮の大切さも教えてくださいました。技術開発やその普及においても異文化理解の観点は大切であることを学べました。

 

また、田川先生の研究室の大学院生の百崎太郎さんにお話していただきました。

百崎さんは、フィリピンにてNGOとして活動されたこと、鳥取大学(日本学術振興会)の若手研究者インターナショナル・トレーニング・プログラムを利用してチュニジアで3カ月間研究をされていたこと等、お話くださいました。就職内定先は海外で研究活動する企業とのことです。「生徒のみなさんに少しでも興味を持っていただき、何かを行う行動力につながれば」とメッセージをいただきました。鳥取大学はグローバル人材を育成している大学です!

 

次に、特任教授の中野惠文先生に講義をしていただきました。

中野先生は環境化学・分析化学がご専門です。環境保全のための化学的知識(分析化学、水質・土壌汚染問題等)を講義していただいた後、セネガルでJICAとともに研究された内容を紹介してくださいました。「セネガルでは貧困のため3才くらいの子どもでも手を出す(お金を求めてくる)、人々の争いの根本は貧困です」という言葉は印象的でした。

最後に「自分の人生をどう生きるか考えること、人の役に立つことをするためには、基礎学力に加え英語+αの語学が必要です」と語っていただきました。中野先生は今後、モロッコで研究されるそうです!

ツアーは24日に続きます。

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