« 2014年4月 | メイン | 2014年6月 »

2014年5月

2014年5月 2日 (金)

NY市内視察その1~New York Report (7)

「視察」というと聞こえが良いですが、要は観光です。昨日は記録的な大雨+低温(10度)に見舞われたニューヨークでしたが、本日は一転して夏の暑さ・・・。最高気温は25度でした!

今回は8人の高校生に「一人1か所、行ってみたいところをピックアップするように」と訪問前に宿題を出しておきました。(笑) 以下が宿題の結果です。

・タイムズスクエア ・エンパイア・ステイト・ビル ・メトロポリタン美術館 ・有名な大学

 

これに引率者の独断で9.11メモリアルを入れました。

 

マンハッタンのアッパー・ウエストサイドから出発し、まずは「有名な大学」であるコロンビア大学を見学。ちょうど卒業式の直前で、その準備がなされているところでした。写真は地下鉄の駅のものです。アメリカのなかで最も古い大学の一つで、建築物は壮大で圧巻でした。ピュリッツァー賞の授与式が行われるコロンビアのシンボル的なホールは天井が高く、生徒たちは一様に感動したようでした。

Img_4670_2

Img_4669_2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次に訪れたのは同じアッパー・ウエストサイドの閑静な住宅街にあるThe New York Buddhist Church、本願寺です。ここには広島で被爆した親鸞像があります。本校高3の久保田さんのおじい様が「ニューヨークに行くのならぜひ見てきてほしい」と孫娘に託されたもので、久保田さんは「本願寺」を選んだのでした。

この親鸞像はもともと三滝にあり、被爆したものです。それをある資産家の日本人が私財を投じ、「世界平和のために、戦争を繰り返さないために」との願いのもと、1950年代にニューヨークの本願寺に贈りました。以来、この住宅街に静かに佇み、浄土真宗では大切な方角である西を向いています。袈裟の下のほうがオレンジ色に変色しているのですが、これは放射能の影響で、実際にガイガーカウンターでも未だに微量の放射能が計測されるとのことでした。この本願寺の前住職の御嬢さんであるHoshina Sekiさんより、親鸞像にまつわる様々なエピソード、移送にあたっての当時の関係者の思いがつづられている手紙をお聞きし、まさかニューヨークで被爆した像にめぐり会えると思っていなかった生徒たちは感慨深い様子でお話を聞いていました。この様子はNHK広島支局に取り上げられ、来週水曜日(7日)夕方に放映予定とのことです。またこのHPでお知らせします。

Img_4675

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

NYの小学生との交流 ~New York Report (6)

4月30日の午後、アンゲラ・ケインさんにお会いしたあと、国連学校(United Nations International School)を訪問しました。この学校には国連職員や政府関係の子弟が多く通っていることや30年以上IBスクールとして世界のIBの手本となっていることで知られています。

放課後の時間を利用して、小1~小4の子供たちと交流しました。まず、広島の原爆に関する短いプレゼンテーションをしたのですが、質疑応答では子供ならでは視点から質問が相次ぎました。

「どうして爆弾を落としたの? 話し合いで解決すればいいのに。」「実験としての原爆投下っていう説があるけど、それなら敵のソ連に落とさなかったのはなぜ?」 

素朴な質問ばかりですが、かなり核心をつくものばかりで、高校生はタジタジ・・・。

次に、本校卒業生の森本順子さん制作の絵本・"My Hiroshima"を朗読したのですが、その前に絵本について簡単に説明していた時のことでした。「美しくも悲しい絵をしっかり見てね」と言うと、「戦争の話なのに、どうして美しいの?」

子どもの「なぜ?」は、新たな視点を与えてくれる大切な質問です。真摯に向き合い、後になってでも答えられるようにしたいものです。

Img_4633

Img_4638

 

 

 

 

 

 

次に、千羽鶴をリサイクルして作った折紙を使って折り鶴を一緒に作りました。小学校の低学年の児童にはやや難しかったですが、なんとか完成させました。その他、手裏剣、風船などを作っては大歓声が上がっていました。子どもたちも、外国から来たお兄さんやお姉さんと楽しみながら折紙から作ることができました。このように、にこやかに協力しながら作業をする経験を積み重ねることが、実は平和構築につながっていくのだろうと思います。

Img_4651

2014年5月 1日 (木)

6月1日(日) 高校音楽部出演♪  

高校音楽部が20分ほど演奏させてもらいます。

ぜひお越しくださいnotenote


第453回パイプオルガン定期演奏会

2014年6月1日(日) 16:00~17:00

世界平和記念聖堂 (入場無料)

pypeorganconcert.pdfをダウンロード

B5用紙で立方体を折る!

先日、本校で開催している数学研究会で、正方形の折り紙から切ったり貼ったりせずに立方体を折る「フジモトキューブ」を学びました。

その原理を利用して、B5用紙で立方体を折ることを考えました。

折り目に沿って組み立てていけば、1辺がB5用紙の短辺の立方体が容易に作成できます。

(B5用紙なので、小テストの余りで作れます。)

次回の研究会は5月19日(月)16:40~です。

興味を持たれた方は、ぜひ来校してください。

いっしょに楽しく数学を学びましょう。

Cimg5781

Cimg5783

Cimg5785

Cimg5786



高2遠足,アクアスへ

 先週の話になりますが,高2は4月24日に島根県にあるアクアスに遠足に行きました。到着までにかかる2時間も,映画を見たり,お菓子を食べたりで,とても楽しい時間になりました。アクアスには約400種,1万点の海の生物が展示されており,色とりどりの熱帯魚など貴重な生物を見ることができました。シロイルカのショーでは有名な「幸せのバブルリング」や「幸せの魔法マジックリング」を見させていただき,幸せになることができました。この遠足で様々な海の生物を見て,高2修学旅行で行く美ら海水族館が一層楽しみになりました。(写真部高2)

Img_2935

Img_2939

Img_2941

高校バスケットボール部

●県総体地区予選

 女学院 62-43 廿日市西

 女学院 65-67 比治山女子

●広島地区私学大会 3位

 [予選リーグ]女学院 59-41 清心

           女学院 49-31 安田女子

 [決勝リーグ]女学院 28-44 鈴峯女子

           女学院 44-49 瀬戸内

国連軍縮部のトップにメッセージを伝える! ~New York Report (5)

公式的な行事は本日が最終日。午後一番に国連軍縮代表部の上級代表であるアンゲラ・ケインさんにお会いすることができました。直前まで事務総長とのミーティングで、準備委員会の期間中、かなりハードなスケジュールを送られているにも拘らず、今回は本校卒業生で国連職員の荊尾(かたらお)遥さんの計らいで面会が実現しました。

本校高3の久保田さんがこれまでの取り組みの内容や署名活動に込めてきた思いをお伝えし、先月、街頭署名で集めた約2000筆の署名を手渡しました。また、ニューヨークに来てから集めた100筆もお渡ししたところ、とても驚かれて、「ニューヨークでもストリートで活動をしたの?」と聞かれましたが、月曜日に訪問したスタイベサント高校で多くの高校生が署名してくれたこと、今後も協力してくれることなどを説明すると、「それはすばらしい! とにかく若い世代がこうやって横のつながりをどんどん広げていくことこそが核廃絶につながるのよ。これからもしっかりがんばって!応援していますよ」と力強い励ましのことばをかけてくださいました。

過密スケジュールのなか、私たちのために20分も割いて下さっただけでなく、ユーモアも交えながらにこやかに、しかし力強く激励して下さったことは高校生にとって大きな励みになるだけでなく、これからの活動を支える大切なことばとなるでしょう。内容の濃い20分でした。

Img_4621

 

また、国連のなかでも軍縮分野を専門とする「UNODA(国連軍縮部)」のオフィスに入ることのできた生徒たちは大興奮!オフィスのあちこちで写真を撮りました。エレベーターに入ると真正面に国連のロゴが。これにも大騒ぎしながら31階のオフィスから地上へと降りました。

Img_4628

 

 

平和首長会議ユースフォーラム ~New York Report (4)

いよいよ高校生の主張が発表できる日となりました。この日のために、参加生徒は約1か月半かけてプレゼンテーションの準備をし、直前まで原稿の手直しが入ったり、合宿を敢行して特訓を受けたりもしました。自分たちの主張がどこまで伝わるかという不安のなかにも、必ず伝わるはず!という期待とが入り混じった心境を抱え、朝からずっと緊張しながら、プレゼンの時間を迎えました。

会場は国連本部の地下にある会議室で、意外に狭く、聴衆は平和首長会議の参加首長のうち20人ほどだったでしょうか。ひろしま平和文化センターの小溝理事長が高校生を紹介してくださり、いよいよプレゼンテーションが始まりました。

トップバッターは広島女学院。右傾化、排外主義、核武装などを声高に叫ぶ若者が現れる昨今、広島の高校生が署名活動を続ける理由を説明し、被爆者の願いに応えることが広島の若者の責務であると訴えながら、自分たちのその他の活動も紹介しました。

Img_4529

修道高校は、署名活動が持つ力を対人地雷禁止条約やストックホルムアピールを例に説明し、市民の力で核兵器禁止条約を一刻も早く締結すべきと訴えました。

Img_4534

盈進高校は高校生の活動は小さいかもしれないけど、故・森滝一郎氏の「小さいものこそ美しい」という言葉に支えられ、どんな小さな活動でも大きなうねりを生み出すことができると信じて活動をしている、という信念を紹介し、フクシマの被爆者とも連帯する意思を伝えました。

Img_4545

最後は沖縄尚学高校です。なぜ沖縄で核廃絶の署名活動をするのか。沖縄戦の悲劇を継承し、米軍基地と隣り合わせのところで生活する沖縄では、常に核兵器配備の恐怖にさらされています。これはヒロシマ・ナガサキが経験した惨状につながるものであり、それを繰り返してはならないという強い信念のもと、活動をしていると紹介しました。

Img_4557

高校生のプレゼンテーションは首長さんはじめ、その他の参加者にも大きなインパクトを与えました。最初にコメントを発言したアメリカの大学生は、「高校生でここまで考えていて、すばらしい発表で、圧倒されつつも、感動して涙が出そうだった」と言っていました。また、ドイツの方は「教育が本当に必要なことがよくわかった。子供たちにも伝えるにはどうしたらいい?」と質問され、本校の生徒が「私たちの学校では、"Summer Cloud"や"My Hiroshima"を教材として、英語でも授業で学んでいます。平和教育のカリキュラムもあります」と説明していました。

小溝理事長からも「すばらしいプレゼンテーションだった」とお褒めのことばを頂きました。

4つの高校のプレゼンテーションは根底にあるものは同じですが、それぞれの観点からのアプローチで、似ているようで異なる内容でした。核軍縮に携わる大人たちを唸らせるようなプレゼンテーション。高校生のこれからの活動にますます期待したいと思います。